フラッシュメモリとは、電気的に書き込みや消去を何度でも行える、電源を落としてもデータが消失しない記憶媒体である。
EEPROMの一種とも言えるが、EEPROMは、バイト単位でデータを書き込むので、部分的な書き換えはできない。
部分的な書き換えをするためには、全消去して書き込むしかない。
そのうえ、書き換え回数に限界があるので、何度でも書き換えのできるフラッシュメモリは大変、優れているといえる。
フラッシュメモリは、ブロック単位でデータを書き込むので、部分的に消去、書き込みが可能である。
この優れた技術は、舛岡富士雄(東北大学教授)が東芝在籍時に開発した。そして、現在は様々な形態をとっている。
現在、技術対価を求めて、高額の訴訟が起こされている。その訴訟も、この7月に8700万?の和解金で解決した。(2006年8月5日現在)
【カードタイプのフラッシュメモリ】
今や、携帯電話、ディジタルカメラ、ゲーム機などの必須となったメモリカードであるが、
これは、フラッシュメモリの技術によって成り立っている。
携帯電話やディジタルカメラに利用されているものでは、SDカード、miniSDカード、microSDカード、メモリースティック、メモリースティックDuo、メモリースティックpro、スマートメディア、xdピクチャーカード、マルチメディアカード、コンパクトフラッシュ、マイクロドライブなど、
多くの種類が存在する。
また、ゲーム機では、表現としては、メモリカードとしている場合が多いがこれも、フラッシュメモリである。
容量は、数MB~数GBと幅広く存在し、年々、大容量化が進んでいる。ディジタルカメラでは、主に256MB~512MBくらいが
安心してたくさんの写真をとることができるということで、定評がある。
記憶画素数の増加がさらに進んでいるので、これからは、高画質を求めるユーザには、GB単位のメモリが必要になると思われる。
【記憶ドライブとしてのフラッシュメモリ】
USBを持っていないPCは、現在は、ほとんどないといえるくらいである。
しかし、フロッピーディスクドライブ(以下FDD、FD)を持つPCは、減少傾向にある。
この理由は、FDでは、1.44MB(一般に普及しているタイプ)しかデータを保存できないため、
プレゼンテーションのデータや画像データを保存することは困難である。
そこで、登場したのが、フラッシュメモリを用いた携帯型の小型ドライブ
(PCではドライブとして認識されるので小型ドライブといった表現にした。)である。
こちらは、USBポートに挿入するだけで使用ができ(OSによっては、ドライバのインストールが必要)、
かつ大容量といった特典がある。普及している容量では、FDの約180倍の容量を持った256MBタイプが コストパフォーマンスの面で優れているといえる。
転送は、USB1.1、USB2.0の方式があるが、最近では、ほとんどがUSB2.0である。
USB2.0の方が、USB1.1よりも理論値で約40倍の速度を実現するが、メモリに転送するデータ量が数10MB単位くらいにならなければ、 USB1.1で特に問題はないといえる。
あくまで、1つの考え方なので、各個人によって見方を変えていただければ問題ないと思う。
現在、実売されているものでは、添付ソフトやドライバソフトを除いて、本体だけ販売するものが多くなっている。
このように、フラッシュメモリは、様々な面で利用されている。しかも、これらは、その一角にしかすぎない。
他にも、音楽プレーヤー、レコーダーなど幅広く利用されている。
この技術が如何に優れているかは、現実に我々の生活の中での利用価値を考えると、ご理解いただけると思う。
2020年追記:今やフラッシュメモリの容量もギガバイト、テラバイトが当たり前となり、時の流れを感じる。
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